

本を作りました。本屋や編集者など、言葉を生業とする同世代の仲間3人と。
文章を書いてみたいけれど、いざなにか文章を書いてみて、と言われると途端に筆が止まってしまう。そして、結局書けずじまいに。そんなことをずっと繰り返して生きてきたような気がします。
どうやったら書けるだろう、そして本を作れるだろう、と考えて、誰かと一緒に書くということをまず考えました。運良く見つかりました。
次に、何をどう書けば書き切れるだろうと考えました。思いつきました。あいうえおから始まる50音をそれぞれが分担して、その音の単語について見開き1ページほどの掌篇エッセイを書くというフォーマットを。
そして、完成しました。
同じ時代に生きてきたのに、まったく違うそれぞれの文章。やっぱり文は人なり。そして、自分には自分の文があるんだということもわかりました。なんだかホッとします。
そんな安心感のようなものが、この本を包んでいるような気がします。書くこと、読むことの楽しさ、穏やかさ、力強さ。
踏み残した足跡を顧みる。そしてこれからの足跡がどんなものになるのか楽しみに、まっさらな未来へと歩を進めたくなる。みなさんにとってもそんな一冊になればと思っています。