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【オンライン参加】9/16(月・祝)18:00-20:00「エスノグラフィはおもしろい──血の通った文章を書く“あるひとつの”方法」(登壇者:石岡丈昇、岸政彦)

1,650円

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エスノグラフィという言葉を知ったのは昨年のことで、石岡丈昇さんの『タイミングの社会学』という本の副題に「ディテールを書くエスノグラフィー」と書かれていたのがその始めです。この本に読むことができたのは私の人生にとって僥倖と呼ぶしかない幸運な出会いでした。本当におもしろかったのです。 エスノグラフィについてこのように書かれています。  エスノグラフィーとは、調査者が対象世界──フィールドと呼ばれることが多い──に分け入り、そこで長期にわたって過ごしながら、その対象世界の成り立ちや居住する人々の生活について記述する研究方法である。また、こうして生み出された作品そのものをエスノグラフィーということもある──石岡丈昇『タイミングの社会学』 『タイミングの社会学』では、フィリピンのマニラのボクシングキャンプにおけるボクサーの生活やスラム街の立ち退きなどの事例を詳細に記述し、貧困の実際やその背後にある構造的暴力の存在を露わにしています。突然試合が流れてしまう(あるいは決まる)ボクサーや、いつ住居が取り壊されるかわからない状態で生活を送らざるを得ない住民たちの直面する現実の詳細な記述を読むことは、今まで抽象的な概念として存在していた貧困という言葉が肉付けされるような体験でした。 エスノグラフィーのおもしろさを教えてくれた石岡さんがこの度『エスノグラフィ入門』(ちくま新書)という本を出されます。大学生のときにエスノグラフィの虜になった石岡さんがエスノグラフィの魅力とその意義について、優れたエスノグラフィの作品を織り交ぜながら著述された入門書です。ぜひ本を読んでいただきたいと思いますが、次の文章がとりわけ印象に残り、またエスノグラフィの本質的な特長の一つであると思いました。  エスノグラフィは、時間をかけることができるからこそ、ありふれた「生活を書く」ことが可能になっているとも言えるでしょう──石岡丈昇『エスノグラフィ入門』 エスノグラフィが記述するのはすでにあるありふれた日常生活です。一回限りの歴史的事件などとは異なり日々繰り返されるからこそ、時間をかけて何度もそのフィールドを訪れる必要があると書かれています。この「時間をかけることができる」ということが難しい社会だと感じます。刺激的なコンテンツが溢れ、注意は散漫に、時間は細分化されてしまっています。そのような状況で、じっくりと時間をかけて書かれたエスノグラフィを読むと「本当のことだ」という安堵の感情を覚えます。ぐっと安心します。同じく社会学者の岸政彦さんの表現に「切ったら血が出る」という言葉がありますが、「本当のことだ」という感想はそれと同じことなのだと思います。もちろん「本当のことだ」と思うような体験は他にもあると思いますが、エスノグラフィは世界に血を通わせてくれる一つの方法です。 今回のイベントでは、石岡丈昇さんと岸政彦さんにエスノグラフィの面白さとその意義について語り合っていただきます。エスノグラフィという言葉がはじめましてという方もぜひご参加いただきたいです。きっと世界の見方、距離感がかわる時間になると思いますし、さまざまなエスノグラフィに触れるきっかけになれば嬉しいかぎりです。ご参加をお待ちしております。 【日時】2024/9/16(月・祝)18:00~20:00 (延長の可能性あり) *こちらのイベントは、イベント終了後、アーカイブ視聴が可能となります。 *視聴可能期間は 2024/9/16〜2024/11/16 までの2か月間です。 【登壇者プロフィール】 石岡 丈昇(いしおか・とものり) 1977年、岡山市生まれ。専門は社会学/身体文化論。日本大学文理学部社会学科教授。フィリピン・マニラを主な事例地として、社会学/身体文化論の研究をおこなう。著作に『エスノグラフィ入門』(筑摩書房)、『タイミングの社会学――ディテールを書くエスノグラフィー』(青土社、2023年、紀伊國屋じんぶん大賞2024第2位)、『ローカルボクサーと貧困世界――マニラのボクシングジムにみる身体文化』(世界思想社、2012年、第12回日本社会学会奨励賞。2024年に増補新版)、共著に『質的社会調査の方法――他者の合理性の理解社会学』(岸政彦・丸山里美との共著、有斐閣、2016年)など。 岸政彦(きし・まさひこ) 1967年生まれ。社会学者。著書に『同化と他者化――戦後沖縄の本土就職者たち』『街の人生』『断片的なものの社会学』(紀伊國屋じんぶん大賞2016受賞)『ビニール傘』『マンゴーと手榴弾――生活史の理論』『図書室』『地元を生きる――沖縄的共同性の社会学』(共著)『大阪』(共著)『リリアン』(織田作之助賞受賞)『東京の生活史』(編書、毎日出版文化賞、紀伊國屋じんぶん大賞2022受賞)『生活史論集』(共著)『沖縄の生活史』(共編)『にがにが日記』など。 【来店参加について】 ・開演時間の20分前より開場/受付開始いたします ・係員及びスタッフの指示・注意に従ってください。万が一、指示に従っていただけない場合、イベントの中断・中止や、特定のお客様にご参加をお断りする場合がございます ・来店参加をご購入された方の中で、当日体調などに不安がある等の理由で配信視聴を希望される場合は、配信参加用のURLよりご視聴ください。視聴方法は、【オンライン参加について】をご確認ください。なお、来店参加を取りやめられる場合であっても、差額の返金等はいたしかねます。何卒ご了承ください ・イベントご来場にあたりご不明な点がございましたら、下記の<お問い合わせ先>までお気軽にご連絡ください 【オンライン参加について】 ・決済完了後にPDFファイルのダウンロード(※)をお願いします。ダウンロードし内容をご確認の上、開催時刻になりましたら記載のURLからご視聴ください。 ・配信はVimeoというサービスのストリーミング機能を使用いたします。お使いの環境での動作が不安な方は(https://www.g-1.ne.jp/preview-vimeo/ )にて視聴テストを行えます。催事中は対応いたしかねますので、事前にご確認ください。 ・インターネット接続環境下のPCやスマートフォン、タブレットからご視聴いただけます ・イベント中、お客様の顔や音声などは配信されませんのでご安心ください ・リアルタイム配信とアーカイブ配信(一部イベントを除く)でお楽しみいただけます。アーカイブ配信につきましてもライブ配信と同URLからご視聴いただけますので、ご都合に併せてご視聴ください(こちらからアーカイブ配信のご案内はいたしません) ・ご利用の通信環境により配信の遅延が起こる場合がございます。ご了承ください ・チケットをご購入されていない方にURLを共有する等、不正な行為による視聴及びその手助けとなる行為を固く禁じます。発覚した場合、ご連絡の上で厳正な対処を取らせて頂きます。ご注意ください 【キャンセルについて】 ・イベント配信用のURLが送信される都合上、お客様都合によるキャンセルは承っておりません。来店参加を取りやめられる場合であっても、差額の返金等はいたしかねます。何卒ご了承ください ・主催側の都合によりイベントが中止となった場合、メールにより中止のご案内の後、近日中に返金処理を行います。また、同内容のイベントで後日改めて開催となった場合、新たに販売ページを設けます。その際、中止となった日程でお送りしたURLは無効となります。お手数ですが、再度販売ページにてご購入ください。 ※ダウンロード方法について https://faq.stores.jp/hc/ja/articles/360044830312--%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E8%B2%A9%E5%A3%B2-%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%86%E3%83%A0%E3%81%AE%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%B5%81%E3%82%8C%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%99-#h_3f7d06f3-7b36-490b-b639-cbf31a98f020 ______________________________________ 【主催・会場】 鴨葱書店(京都府京都市南区東九条東岩本町11−4)

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